雪のちらつく東京。1時半、自民党本部リバティー4号室に、富士ハウス被害者のお二組と、弁護団の青山弁護士、そして、湖西市の羽立工業中村社長にお越しいただきました。



埼玉県からお越しいただいたご夫妻は、富士ハウス倒産による心境と現在の状況、マイホーム購入と富士ハウス倒産までの流れについて、わかりやすく、ペーパーにして、配布のうえご説明いただきました。そのごく一部をご紹介します。

「破産手続きの準備には1週間はかかる。つまり経営陣は1月22日には破産がわかっていたはず。(自己破産ですから、わかっていたのではなく破産を計画していた、ということですか。)これは非常に悪質であり、どう考えても詐欺としか思えません。富士ハウスの支店長によると、1月30日の緊急会議で負債額600億円で破産したので解雇と言われたそうですが、それまでは負債額は30億円程度とPRされていたようで、支店長は破産することを知らなかったそうです。許せないのは会社の経営陣です。経営陣の責任を追及し、経営陣の個人資産などを被害者の救済に充てるような検討をしていただきたいです。」

東京の若い男性は、
「2800万円の総額のうち、1960万円を入金し、基礎工事も終わらないまま倒産。救済に手を挙げているスピードパートナーからは、「完成までにさらに2300万円必要。」との通知がつい最近来た。破産財団からの弁済は200万円にすぎないようなので、そのとおりやれば4060万円の費用がかかってしまい、とても無理。被害者は横の連絡のすべがなく、インターネットやミクシーで情報交換しているくらい。いまも孤独に立ちすくんでいる人がいるはず。」

青山弁護士
「富士ハウスは、全国に78支店、144か所の展示場をもつ全国メーカー。中小工務店の倒産でも、多めに代金を前受けして倒産という事例はあるが、これほどの規模のものはない。しかも、着工時に7割という通常の商慣習よりかなり多い前受け金をとっており、昨年12月からは未着工で7割から全額をとっていた。完成保証に入るよう進言した支店長をはねつけている。
1458名の未着工被害があり、そのうち1000万円超の重大被害は約50名、残りは300万円規模。着工後、上棟前の被害は60名。全体で重大被害は100名規模と認識している。」
弁護団のご要望として、3点。
①完成保証制度への加入を義務付けていただきたい。(費用がかかることなので、全体に義務付けないと、不公平になる)
②給与の立て替え払い債権をそのまま破産財団に入れると配当がへってしまうので、なんらかの形で放棄できないか。
③銀行の根抵当を財団に渡す組み入れ比率を1割ではなく2~3割にしていただけないか。

何人かの議員が質問・発言しましたが、私の方からは、
①スピードパートナーからの工事続行か否かの問いに3月6日までにこたえる上で、工事途上の方が、一番劣化の恐れがあり、時間に追われて悩んでいる。国土交通省は、建設業の認可官庁なので、弁護団と相談のうえ、その方々の現状把握と個別対応に努めてほしい。また、横の連絡のフォーラム作りを支援していただきたい。
②今まで私が伺っている限りでは、未着工またはごくわずか着工のかたは、通知された追加費用が高額すぎて、契約をあきらめざるをえない状況の方が多い模様。ここは何としても、民事・刑事責任の追及を行い、弁済原資を増やしていくべき。法務省も助言をいただきたい。

等申し上げました。
法務省民事局からは「刑事については持ち帰りますが、詐欺破産罪というのもあります。」と。
金融庁からは、私の1年後輩の正義感の非常に強い氷見野銀行1課長が出席し、「つなぎ融資等の現状を金融機関にヒアリングをかけている、できるかぎりの努力を致します」と、。

若いご夫妻の奥様が、「200年住宅の補助に130億円の予算が計上されているが、この一部を弁済につかえないのか」と質問されました。
国土交通省の住宅産業課長は「200年住宅の補助という目的の予算であり無理。」という答えで、これは法律的にはそれ以外回答しようがないのですが、ぎりぎりの状況で必死に、しかもなれない場に意を決して出てこられた若い女性には、冷たく感じられたのではないか、と心配でした。

参加した議員たちも、直後の本会議が予算の議決で決して遅れられない場だったのできっかり3時前でおわったけれど、もっと話をききたかった、あまりにも重い話だったと口ぐちに言っておりました。

中村社長のプレゼンテーションも、深刻なもので、皆の心にずしんと入りました。

 「中小零細の製造業は、もう10年来、正規社員の採用は難しく、安いからではなく、かえってコストは高いが人が集まらないので派遣に依存している。しかし、生産が4割下がっている現状では、利益は到底出せず、派遣社員から切らざるを得ない。
 それでも、回復した時に、この少子高齢化では、製造業派遣の制度自体がないと、生産する人がいなくなってしまうので残していたたきたい。悪質業者やピンはね等をとりしまることで対応していただきたい。

 日本有数の自動車下請け集積地域であるが、完全に薄利多売体質になっており、2次下請けの損益分岐点は、80~90%つまり、2割生産がおちれば赤字ということであり、今の状況が今年一杯続けば3割が倒産してしまう。」

東京都では、シェルターが各所にありますが、それでも日比谷の派遣村状態が起きました。
浜松・湖西・新居には、この準備がまだできていません。
危機との闘いには、休みはありません。
のどがいたくなってきましたが、明日も朝から力の限り頑張ります。