夕方、第一回の静岡政治塾で、京大の中西輝政先生のお話を久し振りに伺い、議論をさせていただきました。

 控室で、先生から「片山さんのお書きになったものは、授業でも使わせて頂いてます。」とおっしゃっていただき、大変光栄でした。
 先生のお話の3つのポイントは、資本主義のあり方の方向として、物から心へ、進歩から伝統へ、個人から共同体へ。
 ゲルマン語のpriiプリ→フリー(自由)という言葉の語源は、「人々の中にいて幸せを感じられる、人の輪に入っていく」という意味であり、個人が一人で勝手にやる、と言う意味ではない、というのはまことにそのとおり!自由経済の最大の裏付けは、規律ですから。(一部の利権のための規制ではありませんよ、曲解されないように!)
 

 その後、議員一人一人がコメントを致しました。
「市場原理主義という言葉は、正統な経済学者の使う言葉でなく、市場にまかせれば何でもうまくいく、と考える学者も、政府がやれば何でもうまくいく、という学者もおらず、問題は何にどの程度介入すべきか。
 今は、雇用問題が焦眉の急であり、セーフティーネット議連で派遣切りの実態をヒアリングして、解決策を党としても打ち出していこうと考えていますが、今の先生のお考えにも、個人から共同体へ、というキーワードがあります。日本型ワークシェアリングというのが、ひとつの解決方法ではないかと思うのですが、その辺についてのお考えは。」
 と質問しましたところ、
「労働問題について詳しくないですが、派遣について両にらみの議論ができるのは、自民党だけですから、是非おやりになった方がいいい」とのことでした。「政治は保守が主人公であり、厳しい時代は保守」とのエールもいただきました。

 医療問題について、フロアから産科医不足や、医療現場の厳しい状況について、ご質問が出まして、「自民党はお年寄りと「女性に好かれる政策をやってくれ」と言われましたので、斉藤先生と私でおこたえいたしました。

「私の選挙区の共立湖西病院も、産科の入院分娩ができなくなっており、国会議員が相当文句を言って、ようやく、静岡県も、周産期医療の委員会をつくりました。問題は、医師はかなり長期にわたって、不足していたのに対応が遅れた。最近のキーワードは、空気が読めない、のkYではなく、政府は現場が見えない、のGМ、それが、具体策がない、のGN、になっている。新卒医師の3割が女医であり、結婚、出産、子育て期にフル稼働できないのに、その実態を把握することなく、10年以上も放置してきたのがその大きな要因の1つです。そもそも厚生省の医療担当部署に女性はほとんどいません。出産一時金、子育て応援手当、妊娠検診費用の公的負担など、自民党に女性議員が増えて、予算の季節ごとにがんがん言って、ようやく増えてきたものです。女性議員をもう少し増やしてください。」と、申し上げました。

 写真撮影の後に、先生に、「資本主義の方向性の見直しはいいのですが、やもすれば、行政の肥大化や官僚の規制権限をとりもどそうという動きに利用されます。社会保険庁をみれば、政府にまかせただけでは何もうまくいかないのは明らか。先生は、権威ある論者として、正論をお願い致します。」と申し上げたところ、

 「よくわかっています。霞が関の実態はよく知っていますので、絶対に大きな政府や行政肥大化には利用されません。」とおっしゃっていただき、安心いたしました。