先週、私の古巣である、財務省国際局(私G7代表団員だったころは、大蔵省国際金融局)幹部と議論しました。

日韓通貨スワップは、明確に韓国側からの申し出で、締結に合意したものだそうです。

状況認識は、以下のとおり。

韓国はこのところウオン安が続いていて、短期的対外債務がかなりある、

韓国の銀行は、先の金融危機で外資がほとんどになり、外貨の調達は欧州系の銀行に頼っているのですが、ギリシャ危機、資本不足といった欧州銀行自身の信用不安で、韓国にまで貸すだけ十分な量のドルが用意できない、ということろなのか、これら欧州系銀行がひいている、
 
韓国が十分な量の外貨調達ができないだろうと市場から見られている、状態になっています。

そこで、日本とのスワップ協定と結べば、外貨準備が厚くなって、韓国政府によるウオン防衛に役だつ。

日本にとっても、過度なウオン安による韓国との競争上の不利が、多少は好転する。
日本企業への支払いも確保される。

98年のアジア危機のころから、韓国の輸入額が3倍になったので、チェンマイイニシアチブのときよりも、スワップ規模も3倍にしなければ。(なんで5,4倍なの?)

 そうでしょうか?

 韓国側の報道では、この最後のウオン防衛を日本が韓国にやってほしいから、日本から申し出て、スワップ協定ができた、と、一方的な報道がなされ、感謝など殆どないようで、外交的には「バカじゃないの?」ですね!

 そもそも日本と韓国の貿易、韓国側が問題視している日本側の恒常的な黒字ですが、この使用通貨は何だと思うのか?

 なんとその7割が日本円で、25%だけドル建です。日本企業が韓国から代金を支払ってもらえなくなると困るという、日本側の国益があるなら、円・ウオンをもっぱら増やせばいいのに、ドル調達を外為特会から300億ドルも行えるスワップを、今回新設!もともとの100億ドルのチェンマイイニシアチブには、付いていたIMFのプログラムが、全くついていない。つまり円ウオンは30億ドルから300億ドル、なのにドル・ウオンは条件付の100億ドルに、無条件300億ドルを上乗せして、400億ドル!!

今の韓国は、当時とくらべて外貨準備を、輸入の7,8倍は持っているといわれています。その殆どは、ドルでしょう。彼らの貿易にユーロ建てがそれほど多いとは思えない。
 日本だって輸入の12ヶ月分しかドルを持ってませんから、韓国が本当に7,8倍持っているなら彼らのほうから、スワップ協定を要請してくるでしょうか?

 日本に比して韓国の外貨準備、外為は、情報開示が非常に少ない。もしも言われているほど十分な外貨準備が無いとしたら、、。隠れた危機が深刻なら、必ず国際機関をかませておくべきではないのか?日本には韓国経済財政を査察する権能は与えられていないのですから。

 この新たな300億ドルについては、また契約条件が決まったわけではないのが唯一の救いか、、でも勝手に甘いのを作ろうとするんだろうな、、。

 実際貸すときは、断る権利は、日本側にあるのだけれど、、。
 あーあ、早く政権取り戻さないと。