もう半月も、マスコミで話題になっていながら、ご本人の釈明のない、本件。
仮に「ギャグのネタであって、本当は母親の生活保護受給はない」、というなら、それを記者会見で公表して、そういうことは、本来刑事罰の対象にもなりうることである、ことを言うべきでしょう。
 もしも、本当ならば、これだけ大っぴらな不正受給を放置しておく、当局、同氏の母親居住の市町村、は何をやっているんだと言われてもしかたありません。

 今の厚生労働省社会援護局の生活保護担当課長は、かなりしっかりした方です。社会保障と税の一体改革が、最大のテーマの1つとなるなかで、「生活保護の適正化」にも焦点が当たっており、「正直者が報われる社会」にしていく上で、「生活保護は、本当に困窮している方にはしっかり届き、頑張れば働ける、あるいは本来養ってくれるべき近い親等の親族がいる場合には支給しない。」が「大原則でしょう。そこまで払っていたら、消費税などいくらあっても足りない世界になりかねない」という批判が出てくるのは当然ですから、しっかり対応できるように、担当者も強化したのでしょう。私が厚労省の担当主査だったころは、生活保護も少なく、省内でも日の当たらないポストでしたが、今は隔世の感があるほど、省内で最も多忙な課長のひとりです。

 今日も直接話をして、以下のような言い訳が、建前上の、お役所回答ではあるけれど、せめて、直接の窓口である市と県ないし府の担当に、状況を確認するように、要請してもらうことになりました。これだけでも大きな進歩であり、国民の関心に答えようとする、担当課長の誠意を高く評価したいと思います。

 今日は、全国行政書士会の北山会長と対談いたしましたが、会長は大阪会の会長もかねておられ、東大阪なのですが、やはり、巷の感覚として、大阪では「もらえるもんならもらっとこ!」になっていて、本当に困っているとは思えない人がかなりもらっているように見える。特に西成区の状況、とおっしゃってました。

 自民党の生活保護PTでも、大阪に実態調査に行って、かなりの問題意識もって提言にむすびつけていますが、まだまだ掘り下げて追及可能でしょう。
 明日から、ワシントンですが、週明けの当局側の回答に、期待しましょう。

 (参考)
 扶養義務者に対する対応、、厚労省回答

生活保護では、扶養義務者がいる場合、その扶養が保護に優先するとされている。このため、高収入等、扶養可能な方は、その責任を積極的に果たしていただきたいと(厚労省としては)考えている。

 これまで、福祉事務所での扶養義務者に対する取り組みとしては、
①生活保護の申請を行った人に対し、扶養義務者に扶養及びその他の支援を求めるように指導すること
②扶養義務の履行を期待できる不要義務者に対しては、経済的支援や精神的支援の可否について、福祉事務所から文書などによる照会を行っているが、容易に協力してもらえない実態にある。

 (注)扶養義務者のうち、親子関係にあるような扶養義務者に対しては、実地による調査や居住する
  福祉事務所への依頼などによる扶養調査を行っている。
  親子関係にあるような扶養義務者に対する扶養能力及び扶養の履行調査は、年一回程度行うことに  している。
  現在の運用の考え方は、扶養義務は、その性質上、直ちに法律に訴えて法律上の問題として取り運ぶ
  ことは避けることが望ましく、努めて当事者間における話合いによって解決することにしている。

 しかし、仮に、扶養可能と思われる扶養義務者が扶養しないことを理由に生活保護の停廃止をすることは、本人の生活が立ち行かなくなることから、適当でない。

 一方で、厚生労働省においても、こうした状況を放置しておくことは制度の信頼を揺るがしかねないことは十分に認識しており、そのためにも福祉事務所での不要義務者に対する取り組みの着実ば実施に努めてまいりたい。