【質問主意書】

質問第一一八号
従軍慰安婦問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十四年五月十八日
                                                         片山さつき
参議院議長 平田健二殿

従軍慰安婦問題に関する質問主意書

日韓首脳会談における従軍慰安婦問題に関する野田総理の発言等について、以下質問する。
一 三月十六日、参議院予算委員会で野田総理は、私の質問に対し「従軍慰安婦の碑の問題は、撤去を私、要請をしております。そのことは会談で間違いございません」と答弁した。
  しかるに、五月十三日の日韓首脳会談では、従軍慰安婦問題に関する李明博大統領からの「歴史を直視する基礎に立ち、知恵を集めれば両国関係はさらに強固になる」との申入に対して、野田総理は「大統領と共に知恵を絞りたい」と答えているが、どのような意味か。
二 今回の首脳会議では、従軍慰安婦の碑の撤去を申し入れていないとの理解で良いか、政府の見解を明らかにされたい。
三 ソウルの「戦争と女性の人権博物館」における従軍慰安婦問題に関する記述について、政府の承知しているところを示されたい。また、政府はこれをどのように評価しているのか。また、抗議、訂正又は撤去を申し入れたのか。
四 内閣官房副長官が、総理から李明博大統領宛ての親書を携え訪韓しているが、その中で従軍慰安婦問題について、どのような記述をしているのか。
五 前記四の親書において、従軍慰安婦の碑の撤去を要請したのか。
右質問する。

【答弁書】

答弁書第一一八号

内閣参質一八〇第一一八号
平成二十四年五月二十九日
                                                 内閣総理大臣 野田佳彦
参議院議長 平田健二殿

参議院議員片山さつき君提出従軍慰安婦問題に関する質問に対する答弁書

一及び二について
 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、平成二十四年五月十三日(現地時間)に北京で開催された日韓首脳会談において、慰安婦問題についての直接の言及はなく、李明博大統領から、平成二十三年十二月十八日に京都で開催された日韓首脳会談で取り上げた案件について前向きな検討をお願いしたい旨述べ、野田佳彦内閣総理大臣からは、李明博大統領と共に知恵を絞っていきたい旨述べたところである。

三について
 お尋ねの博物館では、慰安婦問題の経緯について展示されていると承知するが、当該博物館の開設のために大韓民国政府が一部、補助金をだしていること、また、当該展示の内容には我が国の立場と相容れないものがあること等を踏まえ、政府として、大韓民国政府に対し慰安婦問題に関する我が国の立場等を申し入れた。

四及び五について
 お尋ねの親書について、その具体的な内容を明らかにすることは、相手国との関係もあり差し控えたい。 
 
※実際は質問主意書、答弁書共に縦書きです。