8月25日のブログで話しましたが、多賀城七ヶ浜商工会と名取岩沼亘理商工会で行われた株式会社東日本大震災事業者再生支援機構の説明会で出た質疑応答について、全文をアップします。また、8月31日時点での株式会社東日本大震災事業者再生支援機構による相談受付・支援決定に向けた作業の状況についてアップします。ご覧ください。

多賀城七ヶ浜商工会での2重債務問題説明会での質疑応答です。

Q1: パンフレットに支援方法として、出資等のような機能があるとあるが、どのようなとき出資となるのか。経営へのかかわりあいはどうか。(宮城県中小団体連合会)

A1:出資は、複数の事業が合併する場合などを想定している。たとえば、水産業と水産加工業。通常は業務提携が想定されるが、持ち株会社を作る、または、既存の会社に資本参加する場合を考えている。
 大(企業)が小(中小個人零細)をいじめるようなことはあってはならない。人の参画、専門家の参加も行う。小額出資も信用不安、風評被害を防ぐために想定している。
出資額は、たとえば社長の1年分の年収の範囲内で、そのお金で投資してもらいたい(人や設備への投資)。雇用拡大を図ってほしい。
 震災支援機構が清算時、出資した株式は、社長・会社・第3者への売却が考えられる。とくに第3者への売却は債権買取より慎重に行わなければならない。

Q2:7/27時点で相談受付502件。支援決定10件は少ない。支援決定にならなかった理由で一番多かったものを教えてほしい。

A2:断ったものは現在のところ0件。中断によるものが多いと思われる。中断の理由として、土地のかさ上げに関するグループ補助金の支給決定を待っているケースが考えられる。また、現在62件が金融機関との交渉が終わっている。

Q3:栃木の自宅兼ラーメン屋があるが、自宅部分がダメだったと聞く。震災支援機構は、融資の中身をどの様に吟味しているのか。

A3:この場合、融資先には住宅支援機構がある。自宅部分は震災支援機構の対象にはなりません。通常、自宅兼事務所の場合、床面積で自宅と事業所を分けている。震災支援機構は事業部分のみ支援の対象としている。

Q4:法人が、社長の土地建物の個人資産を借りて事業を行っている。この場合、法人と社長の両方が、支援対象となるのか否か。

A4:この場合、法人も社長個人も支援対象となりえる。法人→不動産賃貸料を支払って事業をしている。借り入れもあるかもしれない。社長個人→不動産賃貸料を受け取って不動産賃貸業とみなせる可能性がある。支援をする場合、その企業等のおかれた状況は千差万別である。震災支援機構では、ケースバイケースで、その都度対応している

Q5:この様な説明会に来ている人は、震災支援機構がどの様なことをやっているのかわかる。来ていない人はどうしたらいいのか。誰に相談したらいいのか分からない。下部(中小零細・個人事業主)にもっと目を向けてほしい。震災支援機構の仕組みをわかっていない人が多い。JCや法人会、商工会や商工会議所の経営相談員をもっと活用すべきではないか

A5:おっしゃる通りです。この件数の少なさは、我々の責任です。広報の充実をもっと図っていきます。

その他
・震災支援機構に持ち込まれて、断った案件は、500件のうちゼロです!今月来月で、支援件数は数十件増えます。
・地域運動をもっとしてほしい。年末までには数百件とします。
・事例を作って広がればもっと利用者は増える。



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多賀城七ヶ浜商工会での質疑応答です。
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名取岩沼亘理商工会での2重債務問題説明会での質疑応答です。

Q1:復興相談センターに債権の買い取りで相談しているが、当初残高の6~7割の価格で交渉→金融機関に痛みをあたえると言われた。そうすうると、金融機関は新たな融資をしないと言われた。3000万の借り入れがあるが、復興相談センターに相談中でも相談してもらえるのか。高度化資金も出ない。

A1:震災支援機構(従業員:東京50人・仙台60人)にはプロのメンバーがそろっている。弁護士・公認会計士・税理士・銀行および政府系金融機関・債権回収会社など。相談を受けてから2~3週間で事業計画を作成している。離れた(支援を断った)ケースが1回もない。金融機関とはやりあうときはやりあうし、基本的に同じ目線で支援することが大事。

Q2:名取の閖上で事業をしているが、8月に以前より店舗数を増やしている。事業再生。現在は事業再開済み。既存の借り入れはどの様になるのか。また、再建した人は、当てはまらないと思っていたが、そうではないのか。

A2:支援対象となる。また、震災前の借り入れと、震災後の借り入れをまとめて借り換えても対象。旧債権は時価でキチンと算定する。

Q3:金融機関は理解していない。受け付けをしてもらえるように進言してもらいたい。震災以降、震災前の対応をお願いしてほしい。保証協会、金融機関とのコミュニケーションは持ってほしい。事務が煩雑なのかという思いがある。支援が浸透してもらえるようにしてもらいたい。

A3:本店の指示が支店に行かない場合、7/17付けの金融庁から金融機関に出された通達を話してほしい。金融が実体経済並びに復興のの足をひっぱるようなことをしてはならない。仮に金融機関が拒否した場合は連絡をしてもらいたい。銀行担当者は必ずしも事業再生に詳しくない。震災支援機構を頼ったことを理由にミスになるようなことがないようにしたい。顧客は生き残る。地域金融機関は生き残る。金融機関がうまく使えるとわかればうまくいく。

Q4:月2回ほど面談があるという。もっと広げるべきである。3期決算書を出せば担保関連の書類はいらないのか。機構から資金が出るのはどれくらいかかるのか。

A4:担保の書類を出してほしい。未鑑定の場合、鑑定結果を出すようにする。相談から支援決定まで3カ月かかる。機構が出融資するのは支援決定以後となる。

Q5:アパートローンが5000万残っているが対象となるか。

A5:対象となる。3/11以降、ローンが残っていない場合、基本的には対象にならない。しかし、ケースによるが対象となる場合がある。たとえば、債務過大の場合、対象となる可能性がある。相談をしてほしい。

Q6:できれば現地に戻りたい。当社は水産加工を営んでいる。いつまでこの制度はあるのか

A6:この制度は平成29年3月まで続く。しかし、最大で1年延長がある。まずは5年。

Q7:現地の再生は6年では終わらない。更なる延長を求めたい。

A7:理解している。

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名取岩沼亘理商工会での質疑応答です。
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東日本大震災事業者再生支援機構による相談受付・支援決定に向けた作業の状況について
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