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私の長年の友人で総務省OBでもある、中村伊知哉慶大教授他、この分野を仕切る第一人者の皆さんと、総務省情報流通行政局、南審議官、コンテンツ振興課のご尽力で、ようやく第一回の開催にこぎつけた、「ネットと放送融合サロン」 初回でもあり、柴山副大臣、橘政務官にもご出席いただきました。

第一回は、日本で実際にコンテンツを最も輸出している、あるいはクロスボーダーの取引を行っている、ソーシャルメディア業界、ソーシャルゲームのトップ2社とニコニコ動画、YouTubeの社長、代表にお越しいただき
「この4人が総務省にそろうのも初めてだし、仮に総務省に呼ばれるとしたら、怒られる時(笑)。もっとどうすれば海外展開できるか、なんて前向きに背中を押す話は初めて」(中村教授)という、レアなメンバーでのトークからスタートです。
 ソーシャルゲーム市場は、2010年度40億ドル→2015年度に3倍の120億ドルと、最も伸びる分野。
 グリーはすでに169カ国・地域、14ヶ国語に提供できるゲーム配信プラットフォームを運営。DenAも、英語、中国語、韓国語で北米欧州の150国地域、中国本土、台湾香港マカオ、韓国にプラットフォームを持っているとのこと。海外でランキング1位など、日本の新輸出産業として注目されています。民放のアニメキャラクターやテレビ局コンテンツとソーシャルゲーム・アプリの融合も行われていて、友達とテレビも見て感想を共有したり、コメント書き込み共有したり、双方向ならではのアプリも出てきています。
  伝統的な一方方向のテレビは、今ならまだ儲かる、あと5年で会社卒業、だからリスクを取る必要はない、という経営陣と、10~20年のうちにはテレビは完全に双方向、テレビの前でIフォンいじってないと満足しない「ジェネレイションC」が大勢になることを予測すれば、今から打って出ないと、という若手世代のギャップを埋めて、マグマをうまく引き出せるか、が1つのポイントですね。
YouTubeのお話しは、もっとダイナミック。1日100万本の動画が流れている今日、彼らはテキストを入れれば殆どの言語に自由に変換できるシステムを入れています。

 この国際的なコンテンツの流れを「日本が出てくるまえに、」とアグレッシブに活用しているのが韓国。
 去年話題をさらったガンナムスタイル、すでに2008年ごろからKーポップを米国に流し続け、ついにアジアポップスはKポップ、と言われるまでに市場を席巻してしまった、、!
 韓国3大放送の1つMBcは。なんと放送終了後の全ての番組をYoUTubeに流すことに。しかもその理由が「日本のコンテンツが世界に出てくる前に」だそう。

 映画も「韓国の映画には歴史がある」として、1940年からの全ての作品を国際的に流し始めてしまっている、、こうなるとNHKのオンデマンドって何なんだろう!!、
 
 これから日本のコンテンツにアプローチがあるのは、米国の大学に授業を流すフォーム。ハーバードのサンデル教授の授業が有名ですが、日本では放送大学すら授業を海外ネットに出すことに及び腰。
 「世界のトップ5が目標」の東大、京大は、看板教授の授業ぶりを英語で海外の優秀な学生に見てもらって「ぜひ入りたい」と思わせる魅力がなければ、世界トップランク入りは、そもそも無理!競争なきところに進歩なし!即、やるべし!

 料理にしても、日本食のユネスコ文化遺産登録は、政府の目標ですが、そのために認知度を上げるなら、その良さを積極的に海外にネットで広めるのは、当然とるべき手段の1つでしょう。

 何が放送とネットの融合や、コンテンツの海外展開の隘路になっているか、の話は、「とてもここでは語りつくせない」とあとで皆さん仰ってました。、
 米国はIT戦略に大きくシフトするなかで、1998年、DMCA法で、ノチィス&テイクダウンルールを設定しましたが、同時に促進策もセットでうち出し、業界が元気出るような産業政策をとった、と彼らは言います。このあたりは再度よく調べる必要ありますが、「どう考えても、日本国内が一番厳しい、しかも、海外から入ってくるものについて同じルールが適用されてない」というのは、確かに「社会的に問題になると、叩きやすいところからたたき、自主ルールを作らせる」という最近の日本の業界行政一般のパターンの問題でしょう。

 他にもいろいろなヒントがありました。
 コンテンツ輸出といっても、テレビ番組などだけでは70億円にも満たず、国産コンテンツの海外収益の9割がゲーム、しかも両社長に伺ったところ「ゲームをやっている外国の方からみて、これが日本製だ、と感じられるようなものではない」
 つまり、無国籍の世界で、感性その他の要素で勝っているので売れている、ということ。
 それはそれで、誇らしい、強さでありますが、コンテンツ市場2810億ドルのうち、ソーシャルゲームは40億ドル。伸び率は抜群でも、これだけでは車に変わる輸出品にはとてもなりません。
 「ゲームのキャラクター商品の販売をセットにする、もっと踏み込んで、日本のファッション、化粧品、生活関連グッズ、ひいては次世代自動車あたりまで格好良く登場させて、日本製品の良さをサブリミナル的に訴えていく」
 ここまでいかないと、コンテンツ輸出戦略は「なるほど、税金使ってやるだけある!」と国民にご理解いただけないのでは?-