ヒアリの毒対処法について環境省自然環境局からの説明です
 
・ヒアリにより生じうる健康への影響には2つの経路があるとされています。一つはアルカロイド毒による直接的な症状であり、刺されたまさに瞬間に痛いと感じたり、じんましん等の症状を引き起こしたりするものです。他方はアルカロイド毒以外の成分に対してのアレルギー症状です。一般的には食物に対してのアレルギーなどと同じように、体内での免疫反応を介してからの症状になりますので、10-30分以内程度で発症します。重症な場合はアナフィラキシーを引き起こす可能性も否定できません。
 
・致死率のデータは専門書でも確認できていませんが、かなり低いと思われます。死亡事例の殆どは、直接的な毒の影響ではなく、アレルギー性症状が重症化したものによるものです。この場合は、適切な治療を早く受ける必要がありますが、治療法は一般的アナフィラキシーの治療に準じます。(台湾でも、侵入以来10数年経ち、同国内ではかなり広く分布していますが、死者の記録はありません。)
 
・ヒアリの毒に対するワクチンはありません(ワクチンは、通常、病原体等による感染症に対し、あらかじめ抗体を作っておくことで効果を発揮するものです。ヒアリの毒に対するものは作られていません)。
 
・刺された場合の対処法は資料「ストップ・ザ・ヒアリ」(https://www.env.go.jp/nature/intro/4document/files/r_fireant.pdf)をご参照ください。
・なお、ヒアリの毒性については厚生労働省の文書(別紙)が詳しいので、併せてご参照ください。